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2024.07.02コラム

【完全版】年5日有休取得義務 正しい管理ルールを解説

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2019年4月の法改正により、年5日の有給休暇取得が義務化されました。この記事では、パターン別の有給取得義務日数を詳しく解説します。有休付与日によって変わる取得義務日数・取得義務期限がこの記事だけで完璧に理解できます。
さらに「勤労の獅子」での年5日取得義務の管理画面もご紹介します。

目次

1.日本の有給休暇取得率と年5日の有休取得義務
2.パターン別取得義務日数と取得義務期限
3.年5日有給休暇取得義務のQ&A
4.有給休暇を計画的に取得させる方法
5.「勤労の獅子」では簡単に取得義務日数の管理が行えます!
6.まとめ

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1.日本の有給休暇取得率と年5日の有休取得義務

大手総合旅行ブランドのエクスペディア(https://www.expedia.co.jp/)が世界11地域(11,580名)を対象に実施した「有給休暇・国際比較調査2024」では、日本で働く人の有給休暇の取得率は11地域の中で最も低い結果となりました。
【世界比較】2023年の世界11地域における有給休暇の取得状況-1536x933.jpg

取得しない理由について「人手不足など仕事の都合上難しいため(32%)」「緊急時に取っておくため(31%)」という回答が高い割合を占めました。

このように日本は世界の他地域と比較しても有休の取得率は低い状態です。
しかし、2021年に行われた同調査では、取得率は45%という結果であったため、2024年の調査結果では取得率の大幅な改善が見られます。

このような取得率の改善には「有給休暇の年5日取得義務化」が寄与していると考えられます。

2019年4月から年次有給休暇取得率の改善を図ることを理由に、年間10日以上の有休が付与される労働者に対して、年5日の年次有給休暇を労働者に取得させることが使用者の義務となりました。
この義務化の対象となるのは、有給休暇の付与日数が10日以上である従業員(管理監督者や有期雇用労働者含む)です。
具体的な取得義務化の対象者となるのは、付与数が以下の表に当てはまる従業員です。(法定通り付与の場合)
年5日取得義務対象者.png

2.パターン別取得義務日数と取得義務期限

有給休暇の付与日に応じて取得義務日数が5日以上となる場合があります。さらに、取得義務期限の起算日についても注意する必要があります。
いくつかのパターンで正しい管理ルールを解説します。

2-1.入社6か月後に10日以上の有給休暇を付与するパターン

4月1日入社、6か月後の10月1日に有休10日が付与されるパターンの場合、付与日から1年間の間に5日の有給休暇を取得する必要があります。
これは法定通りの有給休暇付与パターンです。
例1.png

2-2.基準日が全社統一のため、取得義務期間が重複するパターン

入社6か月後に初回の有給休暇付与後、2回目以降の付与は全社統一の基準日で付与する場合、取得義務期間の重複が生じます。
例えば、4月1日入社、初回付与10月1日(10日付与)、2回目付与4月1日(11日付与)の場合、最初の付与日から2回目に付与した有給休暇の取得義務期間の終了日までを取得義務の期間として扱います。(比例按分)

このように1年間に2回以上の有給休暇の付与がある場合は、取得義務日数が5日を超えます。
取得義務日数の計算式は以下の通りです。
取得義務日数計算式.png
今回の例を計算式に当てはめると、(5日÷12か月)×18か月=7.5日 となります。

取得義務日数と期間を図で表すと以下の通りになります。
例2.png

2-3.付与日数10日のうち、一部を前倒して付与するパターン

入社3か月後に5日間の有給休暇の付与、入社半年後に残りの5日間を付与した場合は、残りの5日間の付与を行い、付与した有給休暇の合計日数が10日間になったときから1年間が取得義務期間となります。
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入社半年までに有給休暇を取得していた場合、取得した日数を取得義務日数の5日間から控除することが可能です。

3.年5日有給休暇取得義務のQ&A

Q1.時間有休は取得日数に含まれますか?

A1.含まれません

時間有休は取得日数へのカウントは行われません。そのため時間有休の取得とは別に5日間の有給休暇を取得させる必要があります。

Q2.法定上の有給休暇が10日未満の従業員に10日以上付与した場合はどう取り扱いますか

A2.取得義務の対象外となります

法定上の有給休暇の付与数が10日未満の従業員に対して10日以上の付与を行った場合、年5日の取得義務対象外となります。

Q3.取得義務日数に1日未満の端数が生じた場合どうすればよいですか?

A3.1日または0.5日に切り上げます

1年間に2回以上有給休暇の付与があり取得義務期間が重複する場合、取得義務日数が5日以上となります。
取得義務日数は、「(5日÷12か月)×取得義務期間」の計算式で求めますが、1日未満の端数が生じることがあります。
その場合は、1日または半日休暇制度がある場合は0.5日に繰り上げて計算する必要があります。

例えば、取得義務期間が15か月の場合の取得義務日数は、(5日÷12か月)×15か月=6.25日となります。
この場合、7日以上または、半日休暇制度がある場合は6.5日以上の取得義務日数が発生することとなります。

Q4.会社独自の特別休暇(慶弔休暇、誕生日休暇など)を取得日数にカウントしてもよいですか?

A4.カウントできません

あくまでも年次有給休暇に対する取得義務制度であるため、企業独自の特別休暇を取得日数としてカウントすることはできません。

Q5.産休・育休に入る従業員が5日の有給休暇を取得していない場合はどうすればよいですか?

A5.産休・育休とは別に年5日の取得義務が発生します

有給休暇の付与日から産前休業に入る前、または産後休業が明けてからの次の付与日の前日までに5日間の取得義務が発生します。
付与日から1年間のすべてが育休という場合は、5日間の取得義務の対象外となります。

Q6.育児休業中の従業員が復帰した場合も取得義務の対象となりますか?

A6.年10日以上の有給休暇付与があれば対象となります

育児休業から復帰した従業員についても除外規定がないため、年10日以上の有給休暇付与がある場合は、取得義務の対象となります。

4.有給休暇を計画的に取得させる方法

年5日の有給休暇を取得させることが難しい場合、計画的な取得ができるような制度を導入しましょう。

4-1.計画年休制度の導入

企業と従業員との労使協定により、有給休暇の取得日を会社が指定することができる制度です。
例えば、お盆・年末年始の休暇を増やすなどです。
計画年休の上限は、従業員の有給休暇の5日間を超える部分について対象とすることができます。

4-2.有給休暇の時期指定

一定時期までに5日以上の取得がない従業員について、有給休暇の時期指定を行います。
有給休暇管理簿や勤怠管理システムで取得日数の確認を行い、取得日数が5日未満の従業員がいる場合は、従業員の取得時期の希望を最大限考慮して、使用者が有休取得時季の指定を行うことで年5日の有給休暇取得を達成することができます。

5.「勤労の獅子」では簡単に取得義務日数の管理が行えます!

「勤労の獅子」では、取得義務期間に重複期間がある場合などの複雑なパターンもシステムが自動で取得義務日数を計算してくれます。
管理者はひと目で従業員の取得義務日数が確認でき、さらに消化日数、取得日数の達成状況も簡単に確認できます。
法令チェック.png

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5.まとめ

年5日の有給休暇取得義務は、従業員の健康と働き方改革を促進する重要な改正です。法令違反の場合、罰則が科される可能性があるため企業には正確な管理が求められます。
5日間の取得に留まることなく従業員の満足度向上、企業イメージ向上のために有給休暇の取得しやすい職場環境を整えましょう。

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