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2024.08.20コラム

違法な時間外労働1万1000か所以上!あなたの企業は大丈夫?

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日本全国で違法な時間外労働が深刻な問題となっています。厚生労働省の調査によれば、昨年度だけで約1万1000の事業所が違法な時間外労働を行っていると確認されました。本記事では、違法な時間外労働の現状と基準、さらに労働環境の改善に役立つ「勤労の獅子」の機能について詳しく解説します。企業として適切な労働時間管理を行うために、どのような点に注意すべきかをお伝えします。

目次

1.違法な時間外労働を行っている事業所は全国で1万1000か所
2.違法な時間外労働の基準とは?
3.勤労の獅子では36協定・特別条項チェックやアラート通知が可能
4.まとめ

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1.違法な時間外労働を行っている事業所は全国で1万1000か所

昨年度、厚生労働省は全国で長時間労働が疑われる約2万6000の事業所に対して立ち入り調査を実施しました。その結果、45%に相当する1万1000を超える事業所で、違法な時間外労働が確認されました。

この調査は、労働者からの申告などを受け、長時間労働が問題視された2万6117か所の事業所を対象に行われたものです。調査の結果、労使協定の上限を超える残業などの違法行為が1万1610か所で確認されました。これは、調査対象の45%に当たり、前年度より1.9ポイントの増加を示しています。

特に、1か月の残業時間が
・80時間を超えた事業所は全体の49%にあたる5675か所
・100時間を超えた事業所は29%の3417か所
と、深刻な状況が浮き彫りになっています。また、中には1か月で127時間に及ぶ違法な時間外労働や休日労働が確認された事業所もありました。

2.違法な時間外労働の基準とは?

「法律上の時間外労働」とは、1日8時間または週40時間を超えて働いた時間を指します。
たとえば、1日の所定労働時間が7時間30分の企業の場合、会社の時間外労働は7時間30分以上から計算されたとしても、法律上の時間外労働は8時間以上の労働時間を指します。
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企業は労働者に対して残業を命じることは原則違法です。しかし例外として、36協定が締結されている場合は、残業を命じることができます。
では、36協定の時間外労働の上限を確認しましょう。

原則:月45時間以内、年360時間以内

36協定における残業時間の上限は、原則として、月45時間以内、年360時間以内と定められています。
残業時間のカウントには法令休日の労働時間は含みません。

例外:月100時間未満、年720時間以内

36協定の例外の残業時間は、月100時間未満、年720時間以内と定められています。
例外の残業時間が認められる条件として、以下の4つの条件を満たす必要があります。
・36協定に特別条項を設ける
・「予見することができない」業務量の増加
・2~6か月平均で月80時間以内の時間外労働
・月45時間を超えるのは年6回まで

時間外労働が違法となる5つのケース

先ほど、36協定(および特別条項)を定めていない場合に労働者に残業を命じることが違法である点に触れましたが、36協定を締結している場合でも、違法となるケースがあります。36協定があるにもかかわらず違法となる具体的なケースは以下の通りです。
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①例外的な事情がないにもかかわらず(特別条項なし)月45時間、年360時間を超える

前述の通り、会社が月45時間・年360時間を超える残業を命じるためには、36協定に特別条項を設けた上で、予測できない業務量の大幅な増加など、臨時的に上限時間を超えて労働させる必要が認められる場合に限られます。
もし、36協定に特別条項が設けられていない場合や、業務量の大幅な増加などの臨時的な必要性がない場合には、月45時間・年360時間を超える残業を命じることは違法となります。

➁残業時間が月100時間以上または年720時間を超える

例外的に上限時間を延長して残業を命じることが認められる場合であっても、月100時間未満、年720時間以内という制限は厳守されなければなりません
したがって、これらの上限を超える残業を命じることは、臨時的な必要があったとしても許されません。

③残業時間が2~6か月平均で月80時間を超える

残業時間は2~6か月の平均で月80時間以内に収める必要があります
たとえ臨時的な必要があり、月100時間未満の残業を命じたとしても、2~6か月の平均残業時間が80時間を超えてしまうと、違法となる可能性があります。
例えば、4月に45時間、5月に50時間、6月に80時間、7月に80時間、8月に90時間、9月に75時間の残業をした場合を考えましょう。この場合、以下のようになります:

  • 2か月平均(9月・8月):82.5時間
  • 3か月平均(9月・8月・7月):81.6時間
  • 4か月平均(9月・8月・7月・6月):81.25時間
  • 5か月平均(9月・8月・7月・6月・5月):75時間
  • 6か月平均(9月・8月・7月・6月・5月・4月):70時間

この結果、2か月平均、3か月平均、4か月平均がいずれも80時間を超えているため、違法となります。

④月45時間を超える残業が年6回を超える

月45時間を超える残業が認められるのは、1年に6回までとされています
③と同様に月100時間未満の残業を命じていたとしても、月45時間を超える残業がある月の回数が規定を超えると、違法になる可能性があります。

⑤36協定で定めた時間を残業時間が超えている

最後のケースは、残業時間が36協定で定められた時間を超えている場合です。
36協定で定められた残業の上限時間が、法律上の上限である月45時間よりも短いことがあります。このような場合、たとえ残業時間が月45時間を超えない場合でも、36協定で定められた上限時間を超えると違法となります。

3.勤労の獅子では36協定・特別条項チェックやアラート通知が可能

勤労の獅子では、36協定・特別条項のチェック機能があります。
1ヶ月や1年といった単位で残業時間の基準値を設け、各従業員の残業時間と比較しながらチェックすることができます。基準値を超えた場合には管理者へアラートメールを発信することもできます。
チェック項目は、残業時間に加え、残業超過回数や平均残業時間など、残業時間上限規制のルールに則った管理が可能になります。
集計された残業時間は専用のチェック画面にて年度単位で従業員ごとに確認でき、背景色が変わるのでアラートの有無も確認することができます。

【チェック画面】

36協定.png

【アラートメール】
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4.まとめ

違法な時間外労働の問題は、労働者の健康や企業の信頼性に深刻な影響を及ぼします。労働基準法に則った適切な労働時間管理は、企業の責務です。「勤労の獅子」を活用すれば、36協定や特別条項のチェック機能を効果的に利用し、違法な時間外労働を未然に防ぐことが可能です。正確な労働時間管理を徹底することで、健全な労働環境の維持と、企業の持続的な発展を目指しましょう。

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