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2024.10.15コラム

振替休日の月またぎ対応!給与計算ミスを防ぐための必須知識

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振替休日が月をまたぐケースは、給与処理や労働時間の管理が複雑になりやすいため、慎重な処理が求められます。月をまたぐことは法的には問題ないものの、労働基準法や賃金計算の原則を守る必要があります。本記事では、振替休日が月をまたぐ際の具体的な処理方法や注意点について、法律や給与計算の観点から詳しく解説します。

目次

1.振替休日の月またぎとは何か?
2.月をまたぐ振替休日の法律上の問題は?
3.振替休日と代休の違いを正しく理解しよう
4.月またぎ振替休日の給与計算方法
5.振替休日が月をまたぐ場合の注意点
6.勤労の獅子の振替休日ペア機能!
7.まとめ

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1.振替休日の月またぎとは何か?

振替休日の月またぎとは、もともと予定されていた休日に出勤し、その代わりに別の日に休暇を取得する際、その休暇が翌月度にまたがるケースを指します。この状況は、通常の振替休日とは異なり、給与処理や労働時間の管理が複雑になるため、特別な対応が必要です。

振替休日が月をまたぐと、勤務と休暇のタイミングが異なるため、どの月に給与や控除を反映させるべきかが問題になります。例えば、4月の締め日が25日で、4月25日に休日出勤し、その振替休日を5月15日に取得する場合、4月分の給与には休日出勤分が反映され、5月の給与には振替休日に対する控除が行われます。このようなケースでは、給与処理において非常に慎重な対応が求められます。

振替休日が月をまたぐこと自体は、法的には問題がありません。労働基準法115条によれば、振替休日は労働日から2年以内に取得すればよいとされているため、法律上の制限は少ないです。しかし、企業にとって重要なのは、その処理が正確に行われるかどうかです。

振替休日の月またぎは、繁忙期や急な対応が求められる業種ではよく見られる状況です。そのため、企業は労働者の健康管理や労働時間の適正な管理を確実に行い、法令に準拠した運用を心掛ける必要があります。

2.月をまたぐ振替休日の法律上の問題は?

振替休日が月をまたぐ場合、法律的には特に大きな問題はありません。振替休日は、労働基準法によって定められている制度であり、具体的な取得期限も法律で定められているわけではありません。労働基準法第115条によれば、振替休日の請求権は2年間有効であり、これが時効の期間となっています。このため、振替休日を翌月度に取得することも法律上許容されており、労働基準法に違反することはありません。

ただし、振替休日が月をまたぐ場合、給与計算においては注意が必要となります。労働基準法第24条で定められている「賃金の全額払いの原則」に基づき、従業員が実際に労働した分の賃金は、その月の給与として全額支払わなければなりません。つまり、翌月に振替休日を取得する場合でも、まずは当月に労働した分の賃金を全額支払う必要があります。

例えば、末日締めの企業において、4月に休日出勤をし、その振替休日を5月に取得する場合、4月の給与には休日出勤分の賃金を含め、通常通り支払います。翌月に振替休日を取得した時点で、その分の給与を控除しますが、控除できるのは基本給に相当する部分のみです。時間外労働や割増賃金は、振替休日を取得したとしても控除できません。

また、振替休日が月をまたぐと、企業の給与処理が複雑になるだけでなく、従業員の労働時間管理も難しくなります。適切に処理しないと、労使間でのトラブルの原因になることもあるため、給与計算や休日の管理には慎重な対応が求められます。

さらに、月をまたいで振替休日を取得した場合でも、労働基準法で定められた法定休日(1週間に1日、もしくは4週間に4日)の確保が義務付けられています。法定休日が確保されていない場合、振替休日の設定自体が無効となり、結果的に違法な休日労働となる恐れがあります。このような事態を避けるためにも、法定休日を下回らない範囲で振替休日を運用することが求められます。

3.振替休日と代休の違いを正しく理解しよう

振替休日と代休は、いずれも「休日」と関連していますが、法的な運用や給与処理の面で大きな違いがあります。ここでは、それぞれの制度を具体的に見ていきましょう。

振替休日とは?
振替休日は、あらかじめ決まっていた休日に出勤し、その代わりとして他の労働日を休日に振り替える制度です。振替休日を設定する際は、出勤する日と休む日を事前に労働者に通知し、労働日と休日を「交換」する形になります。このため、振替休日は「休日労働」には該当しません。結果として、休日出勤の際に必要となる割増賃金の支払い義務も発生しません。これは、労働基準法において、事前に労働日と休日を入れ替える場合は通常の労働と同じ扱いとなるためです。

例えば、4月10日に予定されていた休日を4月15日に振り替え、4月10日に出勤する場合、この日(4月10日)の労働は通常の労働日として扱われ、割増賃金は不要です。この仕組みは、企業にとっては休日管理を柔軟に行うための有効な手段となります。ただし、振替休日の設定は事前に行われる必要があるため、急な対応には不向きです。

代休とは?
一方、代休は突発的な事情により、本来の休日に出勤し、その代わりに後日休暇を取得する制度です。この場合、代休が発生する原因となるのは「休日労働」であるため、休日に働いた分については割増賃金の支払いが必要となります。法定休日に出勤した場合には、通常の賃金に加えて35%の割増賃金が発生します。また、所定休日であっても、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える場合には25%の割増賃金が必要です。

代休は振替休日と異なり、事前に労働日と休日を交換するのではなく、休日に出勤した後に「代わりの日」を与える形で休暇を取得します。したがって、休日出勤を行った時点で割増賃金の支払いが発生し、後日代休を取得してもその賃金の支払いが免除されることはありません。

例えば、5月1日の法定休日に急遽出勤し、その代わりに5月10日に代休を取得する場合、5月1日には通常の賃金に加えて割増賃金を支払う必要があり、5月10日を代休として休んでも、すでに支払われた割増賃金を取り消すことはできません。この点で、代休と振替休日には大きな違いがあります。

>>関連記事:法令違反を回避!振替休日と代休の違いを分かりやすく解説

4.月またぎ振替休日の給与計算方法

振替休日が月をまたぐ場合、給与計算は複雑な処理が求められます。月をまたいで振替休日を取得する際、企業はまず、当月分の勤務に対する給与を正確に支払ったうえで、翌月に振替休日が取得された際にその分の給与を控除する必要があります。

当月の給与支払いのポイント
まず、当月に休日出勤が行われた場合、その分の給与を必ず一旦支払わなければなりません。このとき、休日出勤によって発生する割増賃金も含めて支払う必要があります。振替休日が翌月に取得されるからといって、当月に働いた分の給与を翌月に振り替えたり、控除したりすることは労働基準法第24条「賃金の全額払いの原則」に違反することになります。

この法律では、労働者が実際に働いた分の賃金は、必ずその月の給与として全額支払わなければならないと定められています。したがって、未取得の振替休日と勤務分の給与を相殺することは違法です。具体的には、4月に休日出勤をした場合、その分の割増賃金も含めた全額を4月の給与に反映させ、翌月に振替休日が取得された際に控除を行います。

翌月以降の給与控除の流れ
翌月度に振替休日が取得された場合、その月の給与から振替休日分の給与を控除することができます。ただし、控除できるのは「基本給」に該当する部分のみであり、時間外労働や深夜労働に伴う割増賃金は控除の対象にはなりません。このため、給与計算担当者は基本給と割増賃金を正確に区分して処理を行う必要があります。誤って割増賃金まで控除してしまうと、労働基準法違反となり、企業は罰則を受ける可能性があります。

例えば、5月に振替休日を取得した場合、5月の給与から控除できるのはその日に該当する基本給のみです。割増賃金やその他の手当が発生していた場合、それらは控除の対象外となります。

5.振替休日が月をまたぐ場合の注意点

振替休日が月をまたぐ場合には、給与計算以外にもいくつかの重要な注意点があります。これらをしっかりと理解しておかないと、企業として法的リスクを抱えることになりかねません。ここでは、特に気をつけるべき点を詳しく解説します。

1. 振替休日分を労働賃金と相殺することは違法
まず最も重要なのは、未取得の振替休日を労働賃金と相殺することが違法である点です。これは労働基準法第24条「賃金の全額払いの原則」に基づいており、従業員が労働した分の賃金は、たとえ後日振替休日を取得する予定があったとしても、その労働月の給与として全額支払わなければならないと定められています。振替休日を翌月に取得する場合でも、当月に支払うべき賃金を翌月に持ち越して控除することは違法行為にあたるため、注意が必要です。

2. 法定休日を下回らないようにする
振替休日が月をまたぐ際、法定休日の要件を満たしているかどうかも重要なポイントとなります。労働基準法第35条では、1週間に1日、または4週間に4日の休日を与えることが義務付けられています。この法定休日を下回る休日の取り扱いは認められず、たとえ振替休日を設定したとしても、法定休日が確保されていない場合、その振替休日の適用は無効となる可能性があります。

3. 法定労働時間の管理が必要
振替休日が月をまたぐ場合でも、法定労働時間の管理は必須です。1日8時間、週40時間を超える勤務が発生する場合は、時間外労働や深夜労働に対して割増賃金の支払いが必要となります。振替休日の取得予定があっても、1日や1週間ごとの法定労働時間の管理を怠ってはいけません。

4. 振替休日はできるだけ勤務日と近い日に取得することが推奨
振替休日を月またぎで取得すること自体は違法ではありませんが、従業員の健康管理や効率的な労務管理の観点から、振替休日はできる限り勤務日と近い日に取得することが推奨されます。例えば、休日出勤をしたすぐ後の日に振替休日を設定することで、労働時間の長期化や従業員の疲労蓄積を防ぐことができます。

6.勤労の獅子の振替休日ペア機能!

振替休日の残数を確認することができるのはもちろんのこと、有効期限を設定することができます。
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また、振替出勤日とその振替休日のペアを確認できる機能もあります。この機能を使えば、振替休日の取得予定日が勤怠データ上で確認でき、従業員本人だけでなく、管理者も事前に部下の休暇を把握できるため、スケジュール調整がしやすくなります。
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7.まとめ

振替休日が月をまたぐ際には、法的な問題はありませんが、給与計算や労働時間の管理には細心の注意が必要です。労働基準法では、労働した分の賃金は全額その月に支払うことが義務付けられており、翌月に振替休日を取得しても、賃金の控除は基本給に限られます。さらに、振替休日を設定する際は、法定休日を下回らないように管理することや、従業員の健康を守るために、できるだけ勤務日と近い日に取得することが推奨されます。

勤怠管理システムを導入すれば、振替休日や労働時間の管理がスムーズになり、トラブルを未然に防ぐことができます。システムの活用により、リアルタイムでの休日管理やスケジュール調整も効率的に行えるため、企業の業務効率化にも大きく貢献します。

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