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4週4休とは?違法にならないための要件と、週40時間規制との落とし穴を解説

シフト表を組んでいて、「この週、休みが1日も入っていないけれど大丈夫だろうか」と手が止まったことはないでしょうか。労働基準法の休日の原則は「毎週少なくとも1回」ですが、例外として4週間で4日以上の休日を与える「4週4休」(変形休日制)が認められています。繁忙期に休日を寄せられるため、ホテル・介護・建設・運送など、週単位で休みを固定しにくい業種で広く使われている制度です。
ただし、4週4休は「就業規則に書いて起算日を決めた会社」だけが使える例外です。要件を欠いたまま週1回の休日がない勤務をさせると、その時点で労働基準法35条違反になります。さらに、休日の要件を満たしていても労働時間の規制(週40時間)は別に効いてくるため、「4週4休だから残業代は発生しない」という理解は誤りです。
この記事では、4週4休の法的な仕組み、違法とならないための要件、連続勤務の上限、そして給与計算で見落としやすいポイントを整理します。
目次
1. 4週4休とは----労働基準法35条の「変形休日制」
2. 違法にならないための2つの要件
3. 4週4休でも「週40時間」の上限は別に効く
4. 連続勤務は最大何日まで可能か----理論上は48日
5. 4週4休・4週6休・4週8休の違い
6. 4週4休を運用する前のチェックリスト
7.4週4休のよくある質問
8.まとめ
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1. 4週4休とは―労働基準法35条の「変形休日制」
労働基準法35条は、休日について次の2段構えで定めています。
- ・1項(原則):使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない
- ・2項(例外):4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については、1項を適用しない
この2項に基づく運用が「変形休日制」、いわゆる4週4休です。起算日から区切った4週間(28日)の中に4日以上の休日があれば、特定の週に休日がゼロでも法律上は問題ありません。たとえば「第1週と第2週は休みなし、第3週・第4週に2日ずつ休む」というシフトも、要件を満たしていれば適法です。

注意したいのは、4週4休は法律が許す最低ラインだという点です。28日のうち休みが4日ということは、月あたりの休日が4〜5日程度になる働き方であり、いわゆる「完全週休2日制」(4週8休相当)の半分しかありません。恒常的に4週4休ぎりぎりで回っている場合、採用や定着の面では相当不利になります。制度として使えるかどうかと、常用してよいかどうかは分けて考える必要があります。
2. 違法にならないための2つの要件

変形休日制は、次の2つを事前に整えておくことが要件となります。
要件1:就業規則等に変形休日制を採用する旨を定める
常時10人以上を使用する事業場であれば就業規則に、10人未満であればそれに準ずる書面に、「4週間を通じ4日以上の休日を与える」ことを明記します。
休日は就業規則の絶対的必要記載事項(労基法89条)でもあるため、原則の週休制のまま実態だけ4週4休で回すことはできません。
要件2:4週間の起算日を明らかにする
労働基準法施行規則12条の2第2項により、4週間の起算日を就業規則等で具体的に定める必要があります。「毎年4月1日を起算日とし、以後4週間ごとに区切る」といった形です。起算日の定めがなければ変形休日制を採用したことにならず、週1回の休日原則に戻って違反が成立します。実務で見落とされやすいのが、この起算日です。
ここで押さえておきたいのが、4週間の数え方です。「どの時点から4週間を切り取っても4日の休日が必要」なのではなく、起算日から機械的に区切った4週間ごとに4日あればよいとされています。
そして注意したいのは、この区切りが暦月とズレていくことです。4週間は28日、暦月は28〜31日なので、暦月のシフト表では毎月4日休ませているように見えても、起算日から28日で区切り直すと3日しかない期間が生まれることがあります。この食い違いは月ごとの勤務表では正確に休日数を把握できません。そのため勤怠システム上でも、起算日ベースの区切りで休日数を集計できるようにしておくことが大切です。
3. 4週4休でも「週40時間」の上限は守る必要がある
労働基準法35条(休日)と32条(労働時間)は別の規制であり、休日の要件を満たしても、法定労働時間を超えた分は時間外労働になります。
具体的に計算してみます。1日8時間勤務で、4週間(28日)のうち24日働くシフトの場合:
| 項目 | 計算 | 結果 |
| 4週間の実労働時間 | 8時間×24日 | 192時間 |
|---|---|---|
| 法定労働時間の枠 | 40時間×4週 | 160時間 |
| 時間外労働 | 192時間-160時間 | 32時間 |
| 割増賃金(時給1,500円の場合) | 32時間×1,500円×1.25 | 60,000円 |
つまり、休日の日数としては適法な4週4休でも、1日8時間で回せば毎月30時間前後の時間外労働と割増賃金が自動的に発生します。36協定の締結・届出も当然必要です。
これを避けるには、①1日の所定労働時間を短くする(160時間 ÷ 24日 ≒ 6時間40分が上限の目安)、②1か月単位の変形労働時間制を併用する、のいずれかを検討することになります。
ただし②にも総枠があり、28日の変形期間なら上限は160.0時間です。8時間×24日=192時間はこの枠にも収まらないため、変形労働時間制を導入しても「8時間×4週4休フル稼働」の労働時間を枠内とすることはできません。4週4休を設計するときは、休日数だけでなく総労働時間から逆算するのが実務の鉄則です。
関連リンク:1か月単位の変形労働時間制
なお、休日労働の割増率にも注意してください。4週4休では、休日に労働させた結果その28日間の休日が4日を下回る場合、その労働は法定休日労働として35%の割増が必要になります。どの休日が法定休日に当たるかをシフト上で整理しておかないと、給与計算のときに25%か35%かを判定できなくなります。
関連リンク:法定休日と所定休日の違い
4. 連続勤務は最大何日まで可能か―理論上は48日
変形休日制では、休日を期間の端に寄せることができます。ある4週間の冒頭4日を休日にし、次の4週間の末尾4日を休日にすると、その間の勤務日は24日+24日=48日連続。これでも労働基準法35条には違反しません。

ただし、法律上可能であることと、やってよいことは別です。
長時間・連続勤務による健康障害が生じれば、安全配慮義務違反(労働契約法5条)として損害賠償責任を問われるリスクがあります。過労死等の労災認定基準では、時間外労働だけでなく連続勤務の負荷も評価対象となります。
勤務間インターバル制度(終業から次の始業まで一定の休息を確保する仕組み)は努力義務ですが、連続勤務が続く職場でこそ検討する価値があります。
この連続勤務の長さは、国の側でも問題視されています。厚生労働省の労働基準関係法制研究会は2025年1月の報告書で、13日を超える連続勤務の禁止を労働基準法に規定すべきという方向性を示しました。規定になれば、休日を期間の端に寄せる組み方はそのままでは使えなくなります。改正はまだ法律になっておらず、2026年の通常国会への提出は見送られました。
しかし施行日は未定ですが、連続勤務日数をいつでも把握できる状態にしておくことは、改正がどう転んでも無駄になりません。
シフト承認の段階で「連続勤務◯日以上はアラートを出す」といった歯止めを運用に組み込んでおくと、現場任せで48連勤に近いシフトが生まれる事態を防げます。
関連リンク:14日以上の連続勤務禁止の法改正
関連リンク:労働基準法40年ぶりの大改正の論点
5. 4週4休・4週6休・4週8休の違い
求人票や建設業界の資料では「4週6休」「4週8休」という表記も頻繁に登場します。法律上の意味合いを整理すると次のとおりです。
| 4週間の休日数 | 月間休日の目安 | 法的な位置づけ | |
| 4週4休 | 4日 | 4~5日 | 労基法35条2項の最低ライン |
|---|---|---|---|
| 4週6休 | 6日 | 6~7日 | 法定を上回る任意の設定 |
| 4週8休 | 8日 | 8~9日 | いわゆる週休2日相当 |
建設業界では、国土交通省が直轄工事で週休2日(4週8休)の確保を進めてきたほか、2024年4月からは時間外労働の上限規制も建設業に適用されています。日本建設業連合会も土日一斉閉所の推進に活動の軸足を移しており、業界全体として「4週4休は当たり前」だった時代から確実に離れつつあります。自社の休日設定を4週4休のまま据え置くか、段階的に増やすかは、採用競争力の観点からも定期的に見直したいところです。
6. 4週4休を運用する前のチェックリスト

導入済み・導入予定の企業は、次の点を確認してください。ひとつでも欠けていると違法状態や未払い賃金のリスクにつながります。
- ▢ 就業規則(または準ずる書面)に変形休日制の採用を明記しているか
- ▢ 4週間の起算日を就業規則等で具体的に定めているか
- ▢ 起算日から区切った4週間ごとに、休日4日以上を勤怠データで確認できるか
- ▢ 4週間の総労働時間が法定枠(40時間×週数)を超える分を、時間外として集計・支払いしているか
- ▢ 36協定を締結・届出済みか
- ▢ 法定休日をシフト上で特定し、休日労働の35%割増と区別できているか
- ▢ 連続勤務日数に社内の上限やアラートを設けているか
7. 4週4休のよくある質問
Q. 祝日や年末年始の休みは、4週4休の「4日」に数えてよいですか?
A. 数えられます。労働基準法は祝日を休日にする義務を定めておらず、「4日」の中身は会社が休日と定めた日であれば足ります。ただし、祝日を休日扱いにしていない会社(シフト制で祝日も営業する職場など)では当然カウントできません。就業規則でどの日を休日と定めているかが判断の起点になります。
Q. パート・アルバイトにも4週4休は適用されますか?
A. 適用されます。労働基準法35条は雇用形態を問わず、すべての労働者に適用されます。週2〜3日勤務のパートであれば実際上問題になりませんが、フルタイムに近いシフトで働くアルバイトには、正社員と同じように起算日から区切った4週間で4日以上の休日が必要です。
8. 「勤労の獅子」でできること
ここまで見てきた運用の難所は、「起算日ベースで4週間を区切って休日数を数える」「法定休日と所定休日を区別して割増率を判定する」「連続勤務日数を監視する」といった、手作業のシフト表では追い切れない集計部分に集中しています。就業規則に書いた起算日とシステムが休日を数える期間をそろえる、法定休日と所定休日を別の区分で持つ、振替を入れたときに休日日数が正しく動く―この3つが噛み合っていないと、「システム上は4日あるのに、数え直したら3日だった」というズレが起きます。
「勤労の獅子」は、専任の勤怠コンサルタントが要件のヒアリングから設定代行、操作レクチャーまで行う「サポート型」のクラウド勤怠管理システムです。ホテルや病院のように勤務体系が複雑な現場への対応から育ち、10万以上のシフトパターンを扱えます。起算日の設計とシフトの組み方をまとめて整理したい会社に向いています。
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9. まとめ
4週4休は、労働基準法35条2項が認める変形休日制であり、就業規則への明記と起算日の特定という2要件を満たせば適法に運用できます。一方で、休日の要件と労働時間の規制は別物であり、1日8時間のまま4週4休で回せば毎月まとまった時間外労働が発生すること、理論上48日の連続勤務すら可能な制度だからこそ健康管理の歯止めが不可欠であることは、担当者として押さえておきたいポイントです。
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